ほぼ月2

【号外】『ほぼ月2刊スマデラ新聞』 aMSa the Incredible!! ー 日本人『スマブラDX』プレイヤー超絶プレイで快進撃 in アメリカ ー

 

今回は、先週末にアメリカで開催されたFull Bloom4という『大乱闘スマッシュブラザーズDX』(以下『スマブラDX』と略記)の大会について、日本から参加したVGBootCamp所属のスポンサードプレイヤーaMSa選手の活躍を追いかける形で執筆した記事です。いつか海外大会のオフレポを執筆したいという想いを抱きながら、同大会での彼の試合動画や各試合の見所などを文字で補いながらご紹介しています。

 

また、競技としての『スマブラDX』を観戦するにあたって最低限必要になる知識についても併せてご紹介しているので、まだ『スマブラDX』の観戦をしたことがない方にも楽しんで読んでいただけるようなパート(1, 2)を含んだ、広い視野での記事になっています。競技としての『スマブラDX』をすでにご存じの方は説明パートを飛ばして読んでいただければと思います。

 

VGBC | aMSa選手紹介

aMSa選手といえば、競技としての『スマブラ』シリーズのいずれかを楽しむプレイヤーの方なら誰もが知っていると言っても過言ではありません。使用キャラクターである赤いヨッシーがトレードマークの世界的な『スマブラDX』スタープレイヤーの1人です。

 

選手としての特徴

さて、彼が所属している団体であるVGBootCampのWebページ上で彼は以下のように紹介されています。

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彼はティアーリスト(執筆者補足:キャラクターランク)上においてランクの低いキャラクターを使用してすぐに名を轟かせました。というのも、彼が、類稀なる操作精度を持ち、また、素晴らしいコンボ能力とブロッキング能力に支えられ、多くの「状況に左右される」特別な行動を含めて、ヨッシーの持つあらゆる行動を十分に活用し相手に選択を迫ることができるからです。(l, 2-5)

 

ここで言われている「コンボ能力」というのは、別々の攻撃を対戦相手の操作するキャラクターに継続的に当てる能力のことで、また、「ブロッキング能力」というのは、対戦相手による攻撃を無力化する能力のことです。加えて、彼が使用するヨッシーは世間的な認知度に反してその操作の難しさやそれゆえの勝ちづらさにより使うプレイヤーの数の少ないキャラクターです。

 

そういう理由から、上記で「類稀なる操作精度を持ち」と紹介されているのです。つまり、aMSa選手は、使用人口から見ると珍しいキャラクターによって一風変わったコンボやブロッキングを行う、テクニカルで独創的なプレイヤーなのです。

 

世界と日本のランキング

多くの競技においてそうであるように、競技としての『スマブラDX』においても、ランキングというものが存在します。aMSa選手はRed BullのWebページに掲載された『スマブラDX』の世界ランキングと言える最新版のSSBMRank上で24位に位置しています>>>>SSBMRank 2017: 30-21

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左: aMSa選手(日本)、右: Mango選手(アメリカ)

 

ちなみに、2017年にはスマブラプロプレイヤー列伝シリーズの1つとして「スマブラプロプレイヤー列伝: aMSa」が同じくRed BullのWebページに掲載されました。上のスクリーンショットは同記事の冒頭を写したものです。

 

また、最新版の『スマブラDX』の日本ランキングにおいては1位の順位に輝いています>>>>Japan SSBM Rank 2017(なお、日本ランキングにおけるaMSa選手とRudolph選手との首位争いについては「『スマブラDX』界の心優しきヒールヒーローに『個人スポンサー』はつくか?- Rudolphによるアメリカ武者修行の成果配信始まる -」を読んでみてください)。

 

ところで、彼の魅力は上記のようなランキング上の強さだけに留まりません。一例をあげると、Smash Summit5という大会はその証左です。同大会は、eSports関連のイベントなどを行うアメリカで2012年に設立されたBeyond the Summitという会社が手掛ける招待制・投票制の『スマブラDX』の大会です。

 

野球のオールスター戦を思い浮かべていただけるとイメージしやすいかもしれません。もちろん、競技としての『スマブラDX』においてもプレイヤーの強さはそのプレイヤーの人気を根底で支える重要な要素ですが、aMSa選手は強さと独創性に加えて、上記のような大会に参加できる人気も兼ね揃えた選手なのです。

 

TinyTwist CombosというYoutubeチャンネル上にあげられたコンボ動画を見ていただければ、aMSa選手のヨッシーの素晴らしさの一端が必ず伝わります。 こちらの動画は「『スマブラDX』超絶プレイがここに!神技コンボ動画 #2 feat. VGBC | aMSa @ Full Bloom4」ですでに紹介したものですが、音楽とヨッシーの動きがとてもマッチしているだけでなく、大会実況者の声も聞こえることで彼のプレイがどれほど会場を沸かせるのかが伝わる素晴らしいコンボ動画だと思います。

 

 

 

競技としての『スマブラDX』は、そのゲームスピードの速さを人気の理由の1つとしていますが、他の『スマブラ』シリーズをご存知でない方は、すぐ上の『大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U』のヨッシーコンボ動画と見比べてみてください。

 

Full Bloom4

さて、先週末に行われ参加者354人が集まった競技としての『スマブラDX』の大会Full Bloom4ですが、まず、『スマブラDX』における勝敗の基準と1つの視点、トーナメント全体および初日と最終日の対戦形式の違いについて説明したいと思います。

 

観戦準備(勝敗の基準と視点)

競技としての『スマブラDX』を知らない方により楽しんで観戦していただくために、『スマブラDX』における「勝敗の基準」とプレイおよび観戦における1つの視点として「効果的に勝利するために行われること」を簡単にご紹介です。

 

勝敗の基準

『スマブラDX』における勝利は「相手のストックを全て奪う」ことです。たとえば、『スーパーマリオブラザーズ』をプレイしたことがある方は多いと思いますが、残機を全て失うとゲームオーバーになりましたよね。あれと同じ感覚でイメージしてください。

 

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『スマブラ』でいうところの「ストック」は、『スーパーマリオブラザーズ』でいうところの「残機」と同じです。ゲームの種類は違いますが、基本的に、スマブラにおいても「自分のキャラクターの残機が全て奪われる」ことで敗北(=ゲームオーバー)が決定します。

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競技としての『スマブラDX』の勝敗はとてもシンプルです!つまり……

 

ポイント① 

・勝利

「相手のストックを全て奪う」

・敗北

「自分のストックを全て奪われる」

 

ということになります。ちなみに、『スマブラ』シリーズには『ストリートファイター』や他の格闘ゲーム一般に見られるような「体力ゲージ」が存在しません。では、どのようにして相手のストックを奪えばいいのでしょうか?これに対する答えもシンプルで、「相手をステージ枠の外に出す」ことで相手のストックを奪うことができます。

 

相撲でいうところの土俵が『スマブラDX』のステージになります。相撲では先に土俵を追い出された力士が敗北することになりますが、『スマブラDX』でも先にステージ枠の外に追い出されたキャラクターがストックを奪われることになります。

 

視点: 効果的に勝つために

また、キャラクターが攻撃を喰らった場合、そのキャラクターがふっ飛ばされる距離が変化するのですが、この辺もよく知られた格闘ゲームには見られず『スマブラ』シリーズには見られる独自の特徴です。先程の画像をここでもう一度見てみましょう。

 

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この場面、ピーチが30%のダメージを喰らっている一方で、フォックスは0%とダメージを喰らっていません。複雑なことは脇に置いて一言でいうと、ピーチの方がふっ飛ばされる距離が長い状態です。

 

『スマブラ』では、体力ゲージがない代わりに、蓄積ダメージが%で表示されますが、この値が大きければ大きいほど、キャラクターが攻撃を喰らった際に遠くにふっ飛ばされるように設計されています。

 

そのため、プレイヤーは、対戦相手のキャラクターのダメージ%の値を増やすために積極的に攻撃を当てにいくことになります。同時に、自分のキャラクターのダメージ%の値を増やさないように、相手の攻撃は可能な限り避けることになります。

 

ポイント②

・ダメージ%の値が大きくなるとより遠くにふっ飛ぶ。

・相手のダメージ%の値を増やし、自分の方は増やさないように努める。

これだけで観戦準備OK!

さて、駆け足ではありますが、『スマブラDX』の勝敗がどのようにつくのかということと、より効果的に勝利するためにプレイヤーが行うことについて見てきました。ポイントをまとめてみましょう。

 

ポイント① 

・勝利

「相手のストックを全て奪う」

・敗北

「自分のストックを全て奪われる」

ポイント②

・ダメージ%の値が大きくなるとより遠くにふっ飛ぶ。

・相手のダメージ%の値を増やし、自分の方は増やさないように努める。

 

大きくわけてこの2つのポイントによって『スマブラDX』の対戦は成立しています。これらによって、キャラクターたちはステージ上を縦横無尽に動き回り、相手に攻撃を当て、時には相手の攻撃を喰らいながら、相手のキャラクターのストック(=残機)を全て奪うことを競うことになるのです。

 

ちなみに、以前の記事でここで説明されている以外の事柄を、とりわけ、観戦をより楽しむために知っておくと役立つテクニックについての解説を「競技としての『スマブラDX』を楽しく観戦するためのコツ6選!」と題して、ご紹介しています。こちらも参照していただけると、新しい視点が獲得できます。

 

ダブルエリミネーションとは

Full Bloom4のトーナメントは「ダブルエリミネーション」で行われました。この形式において、選手たちは1回もゲームを落とさなければ勝者側でトーナメントを登っていき、1回ゲームを落とすと敗者側に回りもう負けることが許されないトーナメントを登っていくことになります。つまり、選手たちが2回試合を落とした時点で大会内における順位が決定します。

 

「ダブルエリミネーション」という言葉は馴染がないことの方が多いので、下で図を使って具体的に説明しようとおもいます。筆者もこの種の用語に初めて出くわしたときは頭の中に?マークが浮かびました。一緒に覚えていきましょう。以下は、この仕組みの理解を助けるための用語解説上のトーナメント表です。

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A選手は一度も負けることなく勝者側で一番上まで駒を進めました。それ以外の選手たちは勝者側で負けてしまったので、敗者側のトーナメントにまわることになります。

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C選手が敗者側の一番上まで駒を進めました。なお、C選手がシードされているのは、勝者側でB選手とD選手よりも多く勝っているからです。ここで、勝者側と敗者側での試合がすべて行われたことになるので、勝者側と敗者側のそれぞれで一番上まで駒を進めたA選手とC選手がグランドファイナルで最終決戦をすることになります。

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この解説上の大会の優勝者はC選手ということになります。

 

Bo3とBo5とは

Bo3とBo5はそれぞれ”Bset of 3″と”Bset of 5″を省略したものです。3と5は1試合における対戦の数を示しているので、これらの言葉が意味するのは、前者が「3回の対戦のうち最も勝った方の勝利」後者が「5回の対戦のうち最も勝った方の勝利」ということです。つまり、Bo3が「2本先取」、Bo5が「3本先取」です。

 

Full Bloom4は2日に分けて開催されましたが、初日はBo3で行われ、最終日はBo5で行われました。また、対戦が始まった際、両プレイヤーは4ストック(残機)持っています。したがって、相手を4回倒すことで1本取れることになります。

 

少しややこしいので、簡単に整理すると、以下のようになります。

 

<初日: Bo3(2本先取)>

・1試合⇒最大で3対戦(両選手が1対戦ずつ勝っている)。

※試合で勝利することを「セットを取る」と言う。

・両プレイヤーは4ストック持ちで対戦を開始する。

 

<最終日: Bo5(3本先取)>

・1試合⇒最大で5対戦(両者が2対戦ずつ勝っている)。

※試合で勝利することを「セットを取る」と言う。

・両プレイヤーは4ストック持ちで対戦を開始する。

 

Full Bloom4 1日目(初日)

さて、同大会の初日、2日間にわたる熾烈な戦いの幕開けです。

 

勝者側

同大会の初日のトーナメント表は以下の通りです。黄色いマーカーがついている選手がaMSa選手なのですが……

 

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御覧の通り、ただの1度も対戦で負けることなく1日目を終えています。ずっと勝者側ですね。aMSa選手が2本取り続けているのはもちろんなんですが、対戦相手の数字を見ていただくとわかるように、対戦相手がaMSa選手から1本も取れていないことがわかります。

 

vs BC | MikeHaze選手戦

初日の試合の中では同日最後の試合となったMikeHaze戦を採り上げたいと思います。なお、MikeHaze選手はbeastcoast所属のスポンサードプレイヤーで上述の世界ランキング25位のプレイヤーです。以下の動画は彼とaMSa選手の実際の試合です。

 

 

2-0でセットを勝ち取りaMSa選手の勝利です。ヨッシーだけのテクニックである「ふんばりカウンター」を活用し安定した試合運びで勝利を収めました。このテクニックは、空中ジャンプ中に一定の威力の攻撃を喰らった場合にふっ飛ばされずにいることを可能とするヨッシー固有の特徴を駆使して、相手が攻撃してきたところでふっ飛びを無効化しすかさず反撃を加えることを可能にします。

 

5:42の攻防に注目してみましょう。ここで対戦相手のフォックスが空中下攻撃をヨッシーに当ててきますが、次の瞬間にはヨッシーの空中ニュートラル攻撃がフォックスをふっ飛ばしています。これを可能にするテクニックがaMSa選手が得意とするテクニックの1つ「ふんばりカウンター」です。この試合だけでなく、すべての試合でフルに活用されるテクニックなので、この機会に覚えておくと、より『スマブラDX』の観戦が楽しくなると思います。

 

また、6:10-21の攻防も注目ポイントです。aMSa選手のヨッシーが対戦相手のフォックスの空中上攻撃によって上空高くふっ飛ばされてしまい、あわやストックを奪われるかというところで、ヨッシーが形勢を逆転させフォックスのストックを奪う場面です。

 

先述の通り、『スマブラ』シリーズには他の格闘ゲームと異なり体力ゲージがなく、体力を0にすることで勝敗を決める代わりに、対戦相手の操作するキャラクターを場外に落とすかどうかで勝負を決めます。よって、上空高くにふっ飛ばされるだけでなく追加の攻撃を当てられやすい着地を余儀なくされたこの場面でのヨッシーは防戦一方に追い込まれるかどうかのせめぎ合いの中にあるのです。

 

そこからの形勢逆転ですから、ヨッシーとフォックスの間の距離や、次に対戦相手が選択するであろう行動に対してヨッシーが効果的に採ることのできる行動をどれほど瞬時に予測し行動に移しているのかという凄さの一端を垣間見ることのできる瞬間です。

 

aMSa選手は、この試合をもってFull Bloom4初日を終えます。この時点でaMSa選手の同大会におけるTop24の順位が確定しました。

 

Full Bloom4 2日目(最終日)

さて、同大会の2日目、最終日の開幕です。

 

勝者側

勝者側のトーナメントは以下の通りです。

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vs CLG | PewPewU選手戦

最終日第1戦目はPewPewU選手との試合です。世界ランキング21位である対戦相手のPewPewU選手はCounter Logic Gaming所属のスポンサードプレイヤーで、マルスとフォックスを使いこなす選手です。

 

 

3-0でaMSa選手がセットを勝ち取りました。ちなみに、PewPewU選手は、aMSa選手の因縁の相手とも言える選手です。というのも、これまでaMSa選手はこの選手のフォックスにとても苦しめられてきた経緯があるからです。EVO2014やSuper Smash Con2016で、aMSa選手は彼のストックを何度も奪いもう少しのところで負けてしまってきました。Full Bloom4の試合ではありませんが、上記で言及した大会での試合動画が残っているので、観戦してみてください。

 

 

 

しかし、aMSa選手は、今回のRull Bloom4のこの試合で、1本も落とすことなくストレート勝利を収めました。「辛酸をなめる」。まさにそんな経験を糧にして、aMSa選手はストレート勝利を勝ち取るのです。先にご紹介した「ブロッキング」などのテクニックや、空中ジャンプをした後にすぐに急降下することを可能とする「ぺち」と呼ばれるテクニックを「ふんばりカウンター」と併用しながら、じわじわとしかしながら勢いをもって確実にPewPewU選手のフォックスを追い詰めていきます。

 

ステージ上では、相手のフォックスとヨッシーの間で、フォックスが攻めたくなるような、そして、ヨッシーがそれに対処できるような適切な距離を保持しながら、対戦をコントロールしています。

 

また、ステージ外にふっ飛んだフォックスに対する復帰阻止やふっ飛んだところを更に追いかけて撃墜するところに、aMSa選手の大きな進歩と気迫を強く感じます。ヨッシーは復帰を苦手とするキャラクターなので、ステージ外に相手を追いかけていくことは非常にリスクのある行動なのですが、そのことも相まって、aMSa選手のヨッシーの撃墜が輝く試合内容になっています。ゲーム内のヨッシーは表情を変えませんが、きっと鬼のような形相をしていたに違いありません。

 

vs C9 | Mango選手戦

最終日2試合目はCloud9所属のスポンサードプレイヤーMango選手との試合です。彼は世界ランキングで3位の順位にいる選手で、ファルコやフォックスなどを世界トップクラスの高いレベルでステージ内を縦横無尽に動かす選手です。

 

 

2-3でaMSa選手は勝者側で初めて負けてしまいます。最初の対戦でaMSa選手が開幕1本を取りスムーズなスタートを切ったと思ったその後に、Mango選手が1本取り返してきるなど、序盤から手に汗握る瞬間が続きます。3本目の対戦でMango選手が2本目を取り勝負に王手をかけます。あと少しのところで対戦相手のストックを奪いきれない焦りを植えつけてくるようなMango選手のプレイングは、さすが世界のトップランカーの1人です。

 

しかしながら、9:53-12:20の4本目の対戦でaMSa選手による反撃の狼煙が揚がります。 あと1本取られたら試合が終わってしまう、そんな4本目の対戦からaMSa選手が怒涛の反撃が始まるのです。通常、このような状況になると選手は精神的にかなり追い詰められてしまい、キャラクターもどこか守勢にまわったような防御的なプレイングが目立つようになってきます。しかしながら、aMSa選手は驚くべき精神力の強さを発揮するのです。

 

そして、12:40-17:15の間に行われた5本目の対戦が始まります。どちらかが1本取ったら試合終了、両選手だけでなく実況・解説および会場全体にも高揚感と緊張感が漂っているのを感じ取ることができます。

 

最初に相手のストックを奪ったaMSa選手は、滑るように移動することのできる全キャラクターに共通のテクニックである「絶空」を駆使してステージ内に設置されている台を有効活用しながら、Mango選手をじりじりと追い詰めていきます。その対戦展開に触発され、会場内からaMSa選手の名が叫ばれ、そして、14:25-40の間、会場全体に「aMSaコール」が鳴り響きます。

 

対するMango選手もaMSa選手に負けじと、相手との距離を上手に取りながら攻撃することのできる空中後攻撃や、当てることで相手を一瞬怯ませることのできるブラスターという飛び道具を上手に活用し、aMSa選手のストックを着実に奪ってきます。そして、16:20、配信の観戦者と実況・解説および会場内の観戦者のすべてを注目させる、お互いのストックが最後の1つとなったラスト数十秒の攻防が開始されます。

 

会場が1つになり、どちらの選手の名前をコールするでもなく、どちらの選手が優勢になっても劣勢になっても、”Oh~~~~!!!”という叫びをあげ、試合の結末を固唾を飲んで見守っています。そして、17:10、ステージ上に復帰しようと復帰のタイミングをずらしたaMSa選手のヨッシーに、それをさらに読んだMango選手のファルコが襲い掛かり、この試合は締め括られます。aMSa選手はここで初めて敗者側からトーナメント上の駒を進める必要に迫られます。

 

想えば、APEX2015で彼らが試合を行った際にも、実況・解説だけでなく会場全体が興奮と歓喜に包まれていました。この点において、日本とアメリカの『スマブラDX』を彩る1つの役割を、彼らが担っていると言っても過言ではありません。

 

 

敗者側

敗者側のトーナメント表は以下の通りです。

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vs CG | AbsentPage選手戦

敗者側の1本目の試合は、Coalition Gaming所属のプレイヤーであり、世界ランキング74位のフォックスやシークを使いこなすスポンサードプレイヤーのAbsentPage選手です。

 

 

aMSa選手は、ここまでの試合と同じく「ふんばりカウンター」や「ぺち」を適切に投入し、そして、台が設置されているステージでの「絶空」を活用した機動力でAbsentPage選手のシーク相手に2本連続で勝利します。この時点でaMSa選手が勝負に王手をかけるのですが、AbsentPage選手は作戦を変え使用キャラクターをシークからフォックスに変更します。

 

7:35からAbsentPage選手の反撃が始まります。フォックスに変更し、キャラクター持ち前の移動スピードやフォックスだけが使用可能な「リフレクター絶空上スマッシュ攻撃」などを駆使して、aMSa選手に襲い掛かります。堅実に立ち回りながらも、ふっ飛ばされたヨッシーがステージ上に復帰しようとするところを果敢に攻めることで、ヨッシーよりもストックを保持したままストック有利の状況で1本を取り返してきます。

 

しかしながら、aMSa選手はAbsetPage選手のフォックスを次の対戦で安定した対戦展開のもと下します。彼に1本取られた対戦中、aMSa選手はAbsentPage選手のフォックスを分析していたに違いありません。先述のMango選手もそうですが、世界ランキングの上位に名前を連ねる選手たちの特徴の1つに「対戦中に対戦相手を分析し、そこで得た知見を直後の対戦にすぐさま適用する」というものがあります。対AbsentPage戦の最後の対戦でaMSa選手は2ストック残しで勝利を収めています。

 

vs Frys | Wizzrobe選手戦

敗者側の次の試合は、Fry’s Electronics所属のスポンサードプレイヤーであるWizzrobe選手です。彼は、C. ファルコン一筋の世界ランキング12位のプレイヤーです。

 

 

0-3でWizzrobe選手がセットを勝ち取りました。このように結果の数字だけで見ると、一見チャンスがなかったように思えるかもしれませんが、1本目も2本目も互いにラストストックまで削り合う対戦を繰り広げています。ステージに設置された台を活用し「ふんばりカウンター」と「ぺち」 でコンボや連携を狙うヨッシーと、それに対する、シールドから掴み技に直接移行しながら空中戦を挑んだり一撃必殺も狙える強力な空中前攻撃や上空高くに相手をふっ飛ばすことのできる空中下攻撃でプレッシャーをかけるC. ファルコン。両者一歩も譲らない手に汗握る攻防が繰り広げられます。

 

空中に浮いたりステージ外から復帰しようとするC. ファルコンに対して、ヨッシーは卵を投げる技で更に追い打ちをかけようとします。aMSa選手および彼の操作するヨッシーが「エッグスナイパー」の異名を授けられた所以をここに見ることができます。しかしながら、対するWizzrobe選手のC. ファルコンは、他の選手がストックを奪われてきた崖際の攻防で、効果的な対処をすることでストックを削られることなく対戦を継続します。

 

たとえば、1:58-2:05の間の攻防に見られますが、ヨッシーのダッシュ攻撃を喰らったC. ファルコンが崖を使って受け身をとり、すぐさまに反撃に移りながらステージ上へと復帰しています。そして、確実な分析と堅固な立ち回りとヨッシーの行動を予測した適切な置き技が光った3本目の対戦において、Wizzrobe選手はaMSa選手に勝利することになります。

 

堂々たる成績

今大会Full Bloom4におけるaMSa選手の成績は、7位でした。Tempo Storm所属のスポンサードプレイヤーで世界ランキング10位S2J選手とタイの順位です。下のスクリーンショット上で赤い色の枠で囲われているところがaMSa選手です。

 

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今回、aMSa選手は、世界ランキングの上位選手たちを的確な分析とヨッシーを使用した独創的かつテクニカルなプレイによって下し、過去の自分に勝つことを通じて自身のさらなる進歩を観客に見せつけました。そして、彼のプレイは、今後の自身の更なる成長を世界中の『スマブラDX』ファンに確信させたものに違いありません。

 

ベストバウツ

今大会で行われたaMSa選手の試合の中から、ベストバウトを2つ採り上げたいと思います。2つなので「ベストバウツ」になっています。通常、こういうものは1つだけなのですが、どうしても絞り切れずに2つご紹介です。

 

過去の自分を越えて行け

1つ目のベストバウトはPewPewU選手との試合です。先述のように、この試合はaMSa選手がこれまで勝つことのできなかった選手にストレートで勝利を収めた試合で、彼がフォックスの対策において着実かつ正確に自身の爪を磨いてきたことが明確に伝わってきます。

 

日本には多くの強豪フォックス使いがいますが、彼らとの対戦や練習を通じて、aMSa選手が彼の新しいステージに駒を進めたことを物語る試合です。日本のフォックスプレイヤーのレベルの高さを感じ取ることもできますね。 

 

「遂に…遂に宿敵PewPewUを倒した!マジで良い試合だったよ!」

 

では、再度になりますが、試合動画をどうぞ!!

 

 

会場コールは俺のもの

2つめのベストバウトは、世界ランク3位のMango選手と行われた試合です。今大会でaMSa選手が初めて負けた勝者側の試合でした。Mango選手と言えば、「U. S. Aコール」が有名なのですが、今回のaMSa選手との試合ではそのコールは聞こえず、むしろ「aMSaコール」が叫ばれ、aMSa選手は観客を大いに湧かせました。

 

「aMSaコール」を今一度!!

 

 

彼らの試合の最後の瞬間と試合後の抱擁が動画クリップとして話題になっていますが、Mango選手が今回aMSa選手に追い詰められながら試合をしたことだけでなく、競技としての『スマブラDX』を通じた彼らの友情も見て取れるようです。

 

動画クリップ

 

Rull Bloom4配信チャンネルのツイート

まとめ

競技としての『スマブラDX』の世界に、国籍や文化関係なしに観客を沸かせることのできる世界的なプレイヤーが日本にいること、また、そのようなプレイヤーであるaMSa選手がこれまでの自分の殻を破り更なる進歩を続けているということが、今回のFull Bloom4で明らかになりました。

 

日本からアメリカまでの長いフライトにも関わらず、これほどまでにアツい試合の数々を魅せてくれたaMSa選手に感謝の意を示したいと思います。本当にありがとうございました。激戦と長旅おつかれさまでした。

 

aMSa選手はFull Bloom4を振り返って以下の記事を執筆しています。今回の記事を通じて競技としての『スマブラDX』やaMSa選手に興味を持っていただけた方は、「【ENG】Impression of Full Bloom 4」も是非読んでみてください。

 

競技としての『スマブラDX』の大会は、ヨーロッパやアメリカそして日本などで盛んに開催されています。日本国内で言うと、大会開催数が多い地域は関東と関西です。aMSa選手のプレイを生で観戦したり対戦してみたいという方は、彼が少し前まで主催をしていてこれからも運営スタッフの1人として関わるBattle Gate Wayという大会に足を運んでみてはどうでしょうか?なお、同大会の雰囲気については以前書いた「定期大会Battle Gate Way19オフレポ(京急蒲田)」を参考にしてみてください。

 

編集後記

さて、今回は【号外】として『ほぼ月2刊スマデラ新聞』を執筆しました。eSportsの一分野の記事としても読めるようにしたいという考えから、いつものコメディ感を封印してFull Bloom4の大会を採り上げました。文体や敬称の扱いなどの違いから、お気づきになった方がいらっしゃるかもしれません。

 

競技としての『スマブラDX』ひいては『スマブラ』シリーズ全体の日本におけるライティングがどのように発展していくのかについては、競技人口の増加やコンテンツとしての盛り上がりという要因が総合的に噛み合っていくことを見なければわからないので、未知の部分がとても多いですが、このような記事がネット上に存在し始めることの一定の意義はあるのではないかと思い、執筆しました。

 

また、今回の大会は、aMSa選手の雄姿を通じて、競技としての『スマブラDX』の日本における人口がさらに増えるのではないかと思わされる大会でもありました。競技としての『スマブラDX』の大会で行われた試合は基本的に大会団体のYoutubeチャンネルにあげられるので、時差や地理的な問題に煩わされることなく簡単に競技としての『スマブラDX』を観戦することができます。

 

これを機に、当ブログのリーチが広がり、そこまで競技としての『スマブラDX』を知らなかった方にも興味を持っていただけたら、今回の記事の執筆者としてこれ以上のよろこびはありません。

 

記事を読んでくれた方へ

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